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掲載記事のご案内:「日刊工業新聞」不撓不屈 ③ 発電事業、蓄電池を軸に

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電力調整に価値
日本ベネックス(長崎県諫早市)は、精密板金加工技術を生かした産業機器の製造と太陽光発電が事業の2本柱。社長の小林洋平は太陽光発電について、再生可能エネルギーの固定価格買い取り精度(FIT)に支えられた事業は成り立たなくなると危機感を持つ。そして「現在は発電すれば電気に価値が付くが、再エネが普及し電気が安くなれば調整できる電気の価値が上がる」と予想する。そんな電気価値の変化に備えて小林は「蓄電」に照準を合わせる。最初の取り組みは2015年の4月。本社に65キロワットの太陽光発電パネルとリチウムイオン蓄電池を設置。FIT終了後のビジネスを本格的に検討し始めた。

住商とタッグ
同年、住友商事は鹿児島薩摩川内市の甑島で国内初の蓄電センター事業を始める。住商が九州で蓄電池コンテナを設置する企業を探していたとき日本ベネックスは手を挙げた。住商は再エネと電気自動車(EV)を普及定着させるプロジェクト「みらいの島」から発展させた蓄電池システムの商品化を戦略に描いていた。小林は「願ってもないチャンス。一緒にやっていきましょう」と決意。新たな事業の育成に乗り出す。18年4月には住商などと共同で「みらいの工場」プロジェクトをスタートする。EVのリユース蓄電池による新型蓄電池システムを運用する実証。日本ベネックスの本社敷地で日産自動車のEV「リーフ」24台分のリユース蓄電池を運用する。

コンパクト化
屋根置き太陽光パネル596キロワットと組み合わせ、工場の電力需要ピーク時の補助電源になる。年間約200万円の電気代削減を見込む。稼動して約1ヶ月。小林は「目的のピークカットと仮想発電所(VPP)ともにおおむね順調」と自身を強めている。
同プロジェクトで日本ベネックスはコンテナ内部に効率的に機器を組み込む設計技術を発揮。従来比2倍の積載効率を実現する。システムはコンパクトになり、電池の交換などメンテナンスがしやすくなった。 今後は住商や富士電機の販売網で新型蓄電池システムの販売を進める。工場などに太陽光パネルを設置して同システムを運用する形で展開する考え。日本ベネックスが富士電機から機器を購入してユーザーに販売することなども検討している。
常に数年後を見据えて先手を打とうと小林は新事業の立ち上げに奔走する。一方で企業体質の改善も着実に進めていた。

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不撓不屈 ④失敗恐れず挑戦を へ続きます 

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